レーシックで老眼も治療可能ブログ:2018/10/17
わたしの父は膵臓ガンになってしまった。
もって6ヶ月とのこと…
「なんじゃそりゃ…」
はじめて聞いたとき、わたしは全然実感がなかった。
わたしは、父が風邪をひいた姿すら一度も見たことがなく、
「肉体が丈夫なだけが自慢だ」
と父自身も常々言っていた。
そんな父がガンだなんて…
わたしは母親が嫌いだけど、父は大好きだ。
わたしが高校を卒業して
芸大の写真学科に行きたいって言ったときも、
母親はつぶしがきかないと言って反対していたけど、
父はやりたいことをやるべきだ!と賛成してくれた。
わたしにとって、父は良き理解者だったのだ。
1日1日と、
日ごとにやつれていく父を見て、
「もう助かる見込みはないんだな」と悟ったとき、
わたしは父が楽しそうなところを撮影することに決めた。
バイト先のギャラリーが
二週間個展をさせてくれると言ってくれた。
わたしは、大好きな父の写真集をつくろうと決めた。
死んでゆく人の最期を写真に撮るなんて不謹慎だ!
…という人もいるかもしれない。
でも父は「面白そうだな」と言ってくれた。
病室で呼吸器をつけられた父を撮影した。
父が営んでいたうどん屋の常連客が次々と病室に訪れて、
あまり多くを話すことはできないけれど、
やさしい表情で迎える父を写真に撮った。
父が亡くなって、わたしは父の写真展を開いた。
ギャラリーに訪れた父の常連客や弟子たちは涙を流し、
写真集をめくりながら、父との思い出を語ってくれた。
写真はわたしと父との共同作品になったと思う。
母親との関係も少しずつよくなってきている。
わたしは父の子供に生まれて、
本当に良かったと思う。